0歳からの漢字教育について、以前の記事で我が家の実践例をご紹介しましたが、今回はその根拠をわかりやすくまとめている書籍、「幼児はみんな天才 石井式漢字早教育のすすめ」をご紹介します。この書籍では、漢字教育が幼児にとってどれだけ効果的であるかを、具体的なデータと事例をもとに説明しており、私自身とても納得のいく内容でした。
幼児期に語彙力を伸ばすことがなぜ大切なのか?
まず、この書籍で強調されているのは、「語彙力が人間の思考の基盤になる」ということです。言葉の力は、人生の成功を左右する重要な要素であり、特に幼児期における語彙力の形成が将来に大きな影響を与えるとされています。
言葉は思考のもと
人間は物事を考える際、必ず言葉を使います。言葉なしで物事を考えることはできません。そのため、理解している言葉の数が多ければ多いほど、考える幅が広がり、解像度の高い思考ができるようになります。
例えば、「赤くて丸くて甘くてシャキシャキしている果物」と表現するよりも、「りんご」という言葉を知っていれば、瞬間的に、より具体的に理解することができるということです。
幼児期は、語彙力を伸ばすための「黄金期」とも言われるほど、言葉の吸収力が高い時期です。この時期にどれだけ豊かな言葉に触れられるかが、その後の知識や思考力の基盤を作る鍵となります。
なぜ「漢字」が幼児に適しているのか?
次に、本書が提唱しているのが、「幼児期の語彙力を伸ばすためには、ひらがなやアルファベットではなく、漢字を取り入れるべき」という点です。一見すると難しく感じる漢字ですが、実は幼児にとって非常に適している理由があります。
漢字は「視覚的な言葉」
漢字は「視覚的な言葉」とされ、一方話される言葉は「聴覚的な言葉」です。大人に比べれば、抜群に記憶力のいい幼児でも、聞いたそばからなくなってしまう聴覚的な言葉は何十、何百と聞かないと覚えることはできません。
しかし、人間は目からの知識が80%ですので、目で漢字を見ると数回、中には一回見ただけで覚えてしまうことも稀ではありません。
実験で明らかになった、漢字の方が覚えやすい理由
本書では、幼児を対象に行われた以下のような実験が紹介されています。
- 「鳩」と「はと」という2つの表記を見せたところ、「鳩」はどの子もすぐに覚えられた一方、「はと」は覚えられない子どもが多いことが分かりました。
- この結果から、漢字はその形が具体的で、視覚的に意味をイメージしやすいのに対し、ひらがなは単なる抽象的な記号として認識されてしまい、記憶に残りにくいということが示されています。
大人の誤解:「ひらがなの方が簡単」
私たち大人は、「ひらがなの方が形が簡単で、幼児にはわかりやすいはずだ」と考えがちです。しかし、実際はその逆。幼児は、形の複雑さよりも意味があることの方が重要です。漢字の一文字一文字には具体的な意味が込められており、その意味を直感的に理解できるため、漢字の方が覚えやすく、意味をイメージしやすいというわけです。
0歳から漢字教育を始めるデメリットはない
ひらがな学習の負担を軽減
ひらがなを先に覚えた子どもは、後から漢字に変換する作業が必要になり、それが大きな負担になることがわかっています。しかし、漢字を先に覚えた子どもは、後からひらがなを覚えるのに苦労しません。
この結果、漢字を先に覚えた子どもの方が、読解力が高いというデータもあります。
意味を理解する速度が速い
日本人を対象に、精密機械を用いて「かわさき(ひらがな)」「KAWASAKI(アルファベット)」「川崎(漢字)」の認識速度を計測したところ、以下の結果が得られました。
- 「かわさき」:0.7秒
- 「KAWASAKI」:1.5秒
- 「川崎」:0.06秒
漢字は一目で意味を伝えることができるため、意味を理解するスピードが圧倒的に速いということがわかります。
漢字カードの活用と我が家の実践法
本書では、漢字カードを使って日常生活に漢字ゲームを取り入れることが推奨されています。実際に、石井式漢字絵本を導入している幼稚園では、漢字カードが漢字教育に取り入れられています。
しかし、私は絵本の文章を漢字に書き換えるだけで十分だと考えています。0歳から漢字教育を行うのであれば、絵本の文章を漢字に書き換え、親が読み聞かせをすることで自然に漢字に触れられる環境が作れます。
我が家の漢字学習実践例はこちら▶️「0歳から漢字が読めるって本当?赤ちゃんにこそ漢字教育を!」
「漢字の成り立ち」も面白い!語源図鑑で理解を深める
さらに、本書では漢字の成り立ちに触れています。漢字の成り立ちを理解することで、意味を推測できる力がつき、さらに漢字の学びが楽しくなるとされています。
興味がある方には、**「漢字の語源図鑑」**という書籍もおすすめです。こちらでは漢字の由来が図解でわかりやすく解説されており、漢字の面白さを親子で楽しむことができます。
まとめ:漢字教育は幼児期から始めよう!
「幼児はみんな天才 石井式漢字早教育のすすめ」は、漢字教育が幼児にとってどれだけ効果的であるかを科学的かつ具体的に示してくれる一冊です。
- 漢字は視覚的で覚えやすい。
- 幼児期に漢字教育を始めることで語彙力が増え、読解力が向上する。
- 漢字カードや絵本を活用し、日常生活に漢字を取り入れる。
ぜひ本書を手に取って、漢字教育の可能性を感じてみてください。そして、親子で楽しく漢字に触れる時間を作りましょう!