3歳までに3000万語の格差を埋める「4つのT」:親子で言葉の豊かさを育む方法

子育ての科学
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3歳までの言語環境が子どもの脳の成長や将来の発達に大きな影響を与えることをご存じですか?『3000万語の格差』では、子どもたちがどのように言葉の世界と関わるかが、学力だけでなく非認知能力にも影響することが詳しく描かれています。本記事では、この書籍で紹介されている『4つのT』を解説し、私自身が実践している言葉育ての工夫についてお伝えします。


3歳までに家庭で生まれる「3000万語の格差」とは?

脳の言語神経系は3歳までに85%が完成するとされています。この時期の言語環境が脳の成長に大きく影響を及ぼし、子どものその後の発達を左右することがわかっています。「3000万語の格差」は、人工内耳の専門医であるサスキンド博士が研究の中で発見したもので、3歳ごろまでに子どもが接する言葉の量が家庭環境によって大きく異なることを指します。

この格差は貧富の差に起因すると思われがちですが、実際には親の会話量、親から子どもへの言葉掛けの量、そして語彙の豊富さが重要な要因となっています。この「3000万語の格差」が、語彙力や言語処理能力だけでなく、算数力や自己肯定感、共感力や自己制御力などの非認知能力にも影響を及ぼすことがわかっています。

言語環境を改善する「4つのT」

本書では、子どもへの言葉掛けを効果的に行うための方法として「3つのT」と、新たに提唱された「4つ目のT」が紹介されています。

Tune in(チューンイン)

子どもが集中していることに大人も注目します。子どもの行動を観察し、その感情を解釈してから対応することで、子どもとの信頼関係を深めることができます。

Talk more(トークモア)

子どもに話すのではなく、子どもと話す量を増やします。例えば、日常生活の中で実況中継をすることで、自然と語彙が増えます。

Take turn(テイクターン)

大人が一方的に話すのではなく、子どもと交互に話します。WhatやYes/No質問ではなく、HowやWhyなどのオープンクエスチョンをすることで、思考が始まるように促し、問題解決能力が高まっていきます。まだ言葉を話さない赤ちゃんでも手足の動きや表情で応答してくれています。

Turn off(ターンオフ)

スマホやテレビを消して、外に出かけたり遊んだりする時間を増やします。子どもが直接人や物に触れる体験を通じて、大人がそれを言葉にすることで脳が発達します。

絵本を活用して言葉量を増やす

「4つのT」を実践しようと思っても、自分の語彙力や話しかけ方に自信が持てないこともあります。そんな時に便利なのが絵本の活用です。
私は月齢や年齢に合った絵本を選び1日10冊程度を読んでいますが、私が選んでばかりだと言語に偏りが出る気がするので、図書館で借りたり、おじいちゃんおばあちゃんにプレゼントをリクエストしたりしています。

また、さまざまな年齢層の人と話すことも大事だと考え、親戚と電話や帰省の機会を積極的に持つようにしています。家庭内では使わない敬語や丁寧語、方言などもいい刺激になると感じています。

3歳までにうた200曲の効果については➡️「三つ子の魂百まで」実践!歌200曲と読み聞かせ1万回のすすめ
0歳おすすめの絵本については➡️0歳新生児期からおすすめの絵本:これだけあれば読み聞かせ1万回が始められる!

まとめ:言葉育てはお金がかからない!

「3000万語の格差」は、3歳までの言語環境が子どもの成長にどれほど大きな影響を与えるかを教えてくれる重要な研究です。「4つのT」を日常生活に取り入れることで、子どもの言葉の発達だけでなく、思考力や共感力、非認知能力を伸ばす基盤を作ることができます。

語彙力に自信がなくても、絵本や親戚との会話、日常生活の中での工夫を活用して、子どもと一緒に楽しい言語体験を重ねていきましょう。

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